マリュー:「回避運動を取りつつ、加速最大!」

ナタル:「アンチビーム爆雷発射!」

デュエルとバスターを近づけさせないように攻撃するアークエンジェル。
おかげでニコルやディアッカも取り付けないでいた。
しかし、ディアッカの乗っている機体バスターは射撃型のMS。
ビームで船に攻撃を加える。
ブリッジに当たらなかったものの、衝撃が艦全体に襲う。
それは居住区にいたフレイ達も例外ではなかった。

ディアッカ:「何!?」

普通の船ならビームを喰らえば沈む。
しかし、この艦は沈むどころか、ビームを受けたところが修復を開始している。
これこそが、アークエンジェルの特徴の一つであるラミネート装甲。
フェイズシフト装甲は実弾を防ぎ、こちらはビーム系を防ぐのである。
それを見たディアッカは一端、離れて実弾で攻撃を行う。

ディアッカ:「くそっ!中々の武装じゃないか!取り付けない!」


彼の放った実弾攻撃は、全て打ち落とされた。
向こうも、落とされないように必死なのがよく分かる。
だが、今ここであの艦を落とさなくてはならない。
ニコルは艦底部から、仕掛けると通信を送ってきた。
ディアッカはそれに賛成し、援護を始める。

チャンドラ:「敵MS、艦底部へ展開!」

ナタル:「底部イーゲルシュテルン迎撃開始!」

彼女の指示したすぐにマリューはゴッドフリートを使うと言い放つ。
ゴッドフリートはビーム兵器の武装。
状況が状況であるため、誰も使うなとは言わなかった。
それ以前に言っている場合ではないからだ。

マリュー:「左ロール角20、取り舵20!」

続けてノイマンが同じ事を繰り返し、言った。
もちろん、確認も込めてだ。
ノイマンは言われたとおりに、操縦する。

マリュー:「ゴッドフリート、てーっ!」



「PHASE−3 崩壊の大地 Bパート」





イザーク:「ちっ!ちょこまかと・・・逃げの一手かよっ!」

残りの1機に対し、ビームの連射を行うイザーク。
それを何と避けつつ、同じくビームライフルで応戦するキラ。
だが、彼らの状態には大きな差があった。

キラ:「くそっ!くそっ!」

無闇に打ち続けるキラ。
エネルギーはどんどん減っていく。
この事に本人は気づいていない。

イザーク:「そんな戦い方で!」

言葉からも感じられるように余裕があるイザーク。
後ろに下がりつつ、ビームライフルからビームサーベルに持ち変える。
ビームサーベルを手に持つと、ストライクへと突撃する。

キラ:「くっ!」

その攻撃をシールドで防ぐストライク。
防いだ後、離れてビームを放っていく。
が、近距離ではまともに当たらず、戦況はイザークが有利に進む。

アスラン:『キラ・・・無駄弾が多すぎるぞ!そんな戦い方をしていたら・・・』

つい、彼の事を案じるアスラン。
まだ、キラの戦い方は幼いのである。
特にMS訓練を受けていないのでは差が大きい。
この戦いにアスランは、介入するかどうか迷っていた。

クルーゼ:「敵艦、近づいてきたか・・・こちらからも攻撃開始だ」

この指示にアデスは反論する。
もし、このまま撃てば友軍に当たるかもしれないからだ。
アデスの問いにクルーゼは答えた。

クルーゼ:「友軍の艦砲に当たるような間抜けはこの隊にはいないさ」

彼の言葉と、アスラン達を信じ、アデスは主砲の発射準備に取り掛かる。
その頃、キラは危ない状況に追いやられていた。
デュエルだけでなく、バスターまで攻撃してきたからだ。
キラはコックピットの中で必死にレバーやペダルを動かしていく。
だが、危ない状況なのはキラだけではない。
アークエンジェルもであった。

ナタル:「ローエングリン発射準備!」

敵の主砲のロックされたことを知ったナタルは、ローエングリンの発射を命じる。
が、それにマリューは反対した。
何故なら、このまま撃てばムウが巻き込まれる危険性があるからだ。
ならば残りの選択肢は回避行動でしかない。

ナタル:「危険です!撃たなければ撃たれる!」

もっともな事を言うナタルにマリューは何も言えなかった。
その手はムウの無事を願いつつ、拳を握っていた。

ムウ:「うおりゃあ!!!!!!」

クルーゼ:「(この感覚・・・)アデス!」

彼の事を察知したクルーゼは回避行動を指示。
その指示を疑問に思うアデス。
答えはすぐに分かった。
MAが接近していたのだ。
アデスはクルーゼの言った事に加え、CIWS作動も命じる。
しかし、敵はMA。
動きは素早く、捉えることが出来なかった。
ムウはガンバレルを使用し、ヴェサリウスにダメージを与えていく。
そして、ある程度の攻撃を加えた後、ムウは離脱した。

ムウ:「よっしゃあ!!」

クルーゼ:「(ムウめ・・・)アデス、離脱する!ガモフに打電!」

コックピットの中で、喜ぶムウ。
ブリッジで悔しがるクルーゼ。
彼ら二人の戦いは、ムウが勝利を収める結果で終えた。

ムウ:「さてと、無事に終えた事を報告しておくか」

すぐにアークエンジェルへと作戦成功の事を伝えた。
それを聞いたクルー達もほっと一安心する。
とはいえ、戦いはまだ終わっていない。
マリューはローエングリンを放つ事を指示。
同時にムウには区域を離脱、ストライクには斜線上から離れるように伝えられる。
3機のGと戦っていたキラは、隙を突き、何とか離脱することができた。
その時、イザーク達はヴェサリウスが被弾した事を知る。
さらに撤退命令が出ている事も。
その情報に驚くイザーク達にアークエンジェルからローエングリンが放たれる。
目標はヴェサリウス。
クルーゼの的確な指示により、当たるまでの3秒間で直撃は避ける事が出来た。
しかし、艦の左舷が被弾する。

マリュー:「ストライクへ帰還信号を!アークエンジェルはこのまま最大船速でアルテミスに向かいます!」

すぐに帰還信号が出される。
それを見たイザークはコイツだけでも!と再度攻撃を行う。
帰還命令が出ているにも攻撃するイザークにアスランは注意する。

アスラン:「イザーク、撤退命令が出てるぞ!」

イザーク:「うるさい!腰抜け!」

などと、言い返されてしまう。
アスランはその性格ゆえに、舐められているのである。
イザークはディアッカと連携して、ストライクをさらに追い詰めていく。
帰還できない状態がアークエンジェルにも伝わる。
だが、援護したくても出来ない状態。
その事をムウにも伝えられる。

ムウ:「ストライクが戻れない!?あの馬鹿!」

そんなことを聞いて、普通に向かっている場合ではない。
スピードを加速し、ムウはキラの元へと急いだ。

キラ:「くっ!」

前方のバスターの攻撃を防ぐストライク。
だが、後方からはデュエルが近づいていた。
デュエルは両手にビームサーベルを持っている。
応戦すべく、ビームライフルを向け、ビームを放とうとするが、ビームが出ない。
いや、出てはいるのだが、空撃ち見たいな状態だ。
ここに来て始めてキラはエネルギー確認し、事態の深刻さを理解する。

キラ:「パワー切れ!?しまった、装甲が・・・!」

ついに色が灰色になったストライク。
イザークはチャンスと思い、デュエルのスピードを上げる。

イザーク:「ふん!自分の機体の特性も知らないドシロウトがっ!もらったぁぁ!!」

逃げるストライク。
が、エネルギーがない状態であるためすぐに追いつかれる。
そして、デュエルがサーベルを振り下ろそうとしていた。

アスラン:「くそっ!」

すぐさま、イージスをMAに変形し、ストライクの元へと向かう。
MS時とは、違う圧倒的なスピードですぐにストライクを捕まえる事に成功する。
やられると思い、覚悟したキラ。
だが、目を開けると機体に何かがストライクに捕まっている。
見ると、イージスがストライクを覆いかぶさるようになっていた。



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