トノムラ:「ストライク・・・イージスに捕獲されました。フェイズシフトダウン!」

ブリッジにもその映像が移る。
ミリアリアを始めクルーがキラを心配する。
その頃、ストライクのコックピットではアスランと誰かの会話が聞こえていた。

イザーク:「何をする!?アスラン!!」

アスラン:「この機体捕獲する!」

イザーク:「何だとぉ!」

ディアッカ:「命令は撃破だぞ!勝手な事をするな!」

アスラン:「捕獲できるのなら、そのほうがいい。撤退する!」

誰かが「アスラン!」と言う声を最後に通信を終えた。
見ると、だんだんアークエンジェルから遠ざかっている。
ブリッジではどうするか、必死に考えられていた。
彼をどうやって助ければいい?
その時、ムウから入電が入った。
内容はランチャーストライカーを射出しろということ。

ムウ:「間に合えよ!坊主!」



「PHASE−7 フェイズシフトダウン Cパート」





さらにアークエンジェルから離れゆく、ストライク。
キラは、アスランへ通信を入れた。
この真意を確かめるために。

キラ:「アスラン、どういうつもりだ!?」

アスラン:「このままガモフへ連行する!」

キラ:「ふざけるな!僕はザフトになんか行かない!」

ザフトに行ったら友達を守れない。
自分がストライクに乗っているのはあくまで友達を守るためだ。
確かにアスランと戦いたくはない。
でも・・・。

アスラン:「お前はコーディネーターだ!僕達の仲間なんだ!」

キラ:「違う!!僕はザフトなんかじゃ・・・・」

アスラン:「いい加減にしろキラ!!このまま来るんだ!・・・でないと僕は・・・俺はお前を撃たなきゃならなくなるんだぞ・・・!」

握っているレバーが増えているアスランの手。
そんなことをしたくないからこそ、説得をクルーゼに申し出たのだ。
説得に応じないんだったら、無理矢理連れて行くしか方法が思いつかなかった。
親友だから、撃ちたくない。

キラ:「アスラン・・・」

アスラン:「さっきも言ったように血のバレンタインで母は死んだ。僕に残された奴は・・・」

話を続けようとする前に1機のMAが現れる。
ムウは4つのガンバレルとともにキラを助けるべく、攻撃を仕掛ける。
何とか、かわしていくアスランだが、1発当たってしまう。

ムウ:「坊主!」

キラ:「フラガ大尉!」

通信に答えるキラ。
それとムウはガンバレルでイージスに攻撃を加えていく。
さすがにこれ以上、無理だと判断したアスランはストライクから離れた。

ムウ:「離脱しろ!アークエンジェルからランチャーを射出する!後ろにもまだ、でかいのが居るんだぞ!早く装備の換装をしろ」

キラは離脱する前にイージスを見る。
だが、思い出されるのはトール達。
自分がストライクに乗った理由をもう一度思い出す。
そして、苦渋の決断ながらキラは言った。

キラ:「・・・・・分かりました」

アークエンジェルへとキラは向かった。
たとえ、ストライク本体のエネルギーがピンチでも、バックパックで補える。
MAを追っていたアスランはコックピットで叫んだ。
ここで叫んでもキラには思いが届かない。
そんなことは分かっていた。
でも、叫ばずにいられなかった。

アスラン:「キラ!!待てっ!!行くなっ!!!」

だが、MAが邪魔をする。
結局彼はキラを追うことが出来なかった。
ストライクの姿を見たイザークとディアッカはストライクを追った。
もちろん、アスランとは別の目的で。

マードック:「準備は出来ましたぜ!でも、途中で落とされちまったら!」

マリュー:「無茶は承知よ!やるしかないの!」

アークエンジェルでは無茶とも思える事をやろうとしていた。
提案したのはムウ。
でも、この状況では無茶をやらなければ切り抜けられない。
しぶしぶ、マードックも了承し、準備を進める。
タイミングを任されたナタルは、次々にやるべきことを指示していく。

ムウ:「おぉっと!俺がやられちゃあ話になんねえ!」

イージスとブリッツを引き付けるムウ。
Gを相手にここまでで戦える彼もエースなのだ。
伊達に「エンデュミオンの鷹」の異名を持ってはいない。
ブリッツのビームもかわし、さらに引き付ける。

トノムラ:「ストライク、磁気線に乗りました!」

ナタル:「カタパルト射出!」

ランチャーストライカーパックが来たことを確認する。
キラはすぐにエールストライカーパックを解除。
そして、換装に備える。
一方で、イザークはそこを狙っていた。
換装する瞬間を。
グレネーダーのターゲットをロックし、放った。

キラ:「ロックされた!?」

ここまできたら、中断は出来ない。
キラはかけた。
撃たれるのが早いか、こちらの乾燥が早いか。
クルーも固唾を呑んで見守る。
やがて、爆炎が轟く。

イザーク:「やったか!?・・・・・・何!?」

ついにやったと思ったイザーク。
だが、爆炎の中からビーム砲が飛んでくる。
ギリギリかわせたが、右腕とビームラライフルが破壊された。
現われたのはバックパックが違うストライク。
どうやらエネルギーまで、回復しているらしく、色も戻っていた。

キラ:「うおおおお!!!!!!」

ただ、友達を守りたい。
行こうと思えば、アスランの元へ行けた。
でも、見捨てる事はできなかった。
だから、キラは戦う。
ランチャーのアグニを連射して、友達を守るために。

アスラン:「引け!イザーク、ディアッカ!これ以上の追撃は無理だ!」

ニコル:「アスランの言うとおりです!このままだとこっちのパワーが危ない!」

彼らの言う事も分かるためイザークはバスターを連れて離脱した。
離脱後のパイロット待機室。
イザークはアスランの胸倉を掴んでいた。

ニコル:「何やってるんですか!?やめてください!こんなところで」

イザーク:「4機でかかったんだぞ!?それで仕留められなかった。こんな屈辱があるか!!」

ニコル:「だからと言って、ここでアスランを攻めても仕方ないでしょう!?」

胸倉から離し、イザークとディアッカは部屋を出る。
やがて、アスランも部屋から出て行った。
アスランに残されたのは悔しさ。
壁を叩く。
それだけで、この悔しさが晴れるわけではない。
分かっていても、彼は何度も壁を叩いていた。

ムウ:「おい、何やってんだ?こら、キラ・ヤマト・・・!」

彼が戻るとマードック達がストライクのコックピット周辺に居る。
ムウはキラが呼びかけに応答しない事を知り、外からハッチを開けた。
そこにはまだレバーを握ったままのキラが居た。

ムウ:「もう終わったんだ。ほら、もう、とっとと出て来いよ。お前も俺も死ななかった。船も無事だ。上出来だったぜ」

彼なりにキラを慰める。
戦闘は終わったのだからもうコックピットに居る必要は無い。
数分後、軍服に着替え終わったキラに一つ伝えた。
ストライクの機動プログラムのロックのことだ。
キラにしか扱えないように。

クルーゼ:「本国からの帰還命令か・・・。まあ、当然と言えば当然だな。ガモフはこのまま任務を継続、アスランを帰投させろ。修理が完了次第向かう」

彼らに下ったのは評議会からの出頭命令。
用件はもうすでに分かっている。
それはヘリオポリス崩壊の件だろう。
クルーゼはそう指示した。

サイ:「光波防御帯って言うんだって。別名“アルテミスの傘”。レーザーも通さない絶対防御兵器なんだってさ」

フレイ:「良かったぁ。これで私達、助かったのよね」

展望台から二人は眺めていた。
アークエンジェルはアルテミスへの入港が許可され、傘を通り抜けて入っていく。
だが、入ったのはいいものの、外は囲まれていた。
味方であるはずなのに銃を持っているのだ。
その場に居たアルテミスの者は、マリュー達の言葉を答えない。
これからのどうなるのか?と思いつつ、その状況に流されるしかなかった。






END
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