今日は大晦日。
今年最後の日でもある。
って、毎年言う事になるかもね。

「キラ、ぼーっとしないで、ラクスちゃんを手伝いなさい!!」

え!?
なんで、ラクスちゃんになってるの?
ラクスさんじゃなかったけ?
まぁ、いいか。
考えても仕方ないので、僕はとりあえず、ラクスのところへ向かった。



「彼らの大晦日」



「キラ、どうされました?」

僕の姿を見たラクスが話しかけてきた。
マルキオ邸って思ったより、広いから掃除が大変みたい。

「母さんが、手伝えって言うから・・・何か手伝う事無い?」

「でしたら、部屋の掃除をしてくださいな」

ああ、大晦日だもんね・・・。
僕は心の中で納得していた。
本当なら早くやるべきだったんだろうけど。
ラクスに言われたとおり、部屋へと向かった。
にしても、こう言うときって指示を聞かないと動けない僕って・・・。

「はぁ〜」

掃除をしていて思わず、ため息が出る。
自分の部屋って滅多に掃除しないから、ほこりがたくさん出てくるし。

『え!?こんなもの買ったっけ?』

自分の覚えのない物まで出てくるし。
もしかして、ラクスは無断でここに入ってる?
などと色々ハプニングがあったけど、何とか終了。
でも、1時間はかかってる。
ラクス達はいつもやってるんだね・・・。
家事って本当に大変だね・・・。

『よし、報告しに行こうか』

僕は掃除が終わった事を報告するためにラクスのところへ向かった。

『あれ?ラクスがいない』

どうやら、他の場所へといったらしい。
30分ほど探し回ったが、僕は結局見つけることが出来なかった。
仕方がないのでリビングへ行くと、そこにはアスラン達もいた。

「遅いぞ!今まで、どこほっつき歩いてたんだ!」

カガリにしばらく説教を食らう。
アスランは目で「我慢しろ」といっている。
もう5分は過ぎただろうか・・・。

「カガリさん、キラ君も悪気があったわけじゃないんだから、それくらいでいいじゃない」

やがて、マリューさんが助け舟を出してくれた。
聞いている方も困っていたみたい。
というか、僕って何か悪いことした覚えないんだけど・・・。
それでも、本当に助かった。
後でお礼を言っておこう。

「みんな、出来たわよ」

何が出来たんだろう?
子供たちは大喜びだから、ステーキとかでも出てくるのかな?
と思っていたら、ラクスや母さん達は全く違うものを持ってきた。

「え!?そばなの?」

「なんだ、キラ。お前知らないのか?他の国は知らないが、オーブとプラントには日本という国の名残があってな、年越しそばを大晦日に食べるのもしきたりなんだ」

しきたりなのか、これ。
しかも日本がなかったことになっているし。
そういえば、昔もこんなことがあったっけ?
僕は昔の事を思い出してみる。


それはコペルニクスに居たころ。
12月31日に僕達はそれぞれの家族でそろって、夕食を食べることとなった。
確か、その時の料理も年越しそばだった。
しかも、母さんとおばさん(アスランの母)が共同で作ってくれた。
その味は今でも忘れられないくらい、美味しかった。

「はい、年越しそばよ」

「「わ〜い」」

あの頃か・・・懐かしいな。
僕とアスランが会ってからずっと仲良しだったし。
まあ、色々あったけど。
そう考えたら、今は本当に幸せなんだね。


「聞いてるのか!!」

「聞いてるよ。そっかぁ、年越しそばかぁ〜。どうりでそばなわけなんだ」

「お前なぁ!」

また、説教を食らうかと思ったけど、今度はラクスと母さんが助けてくれた。
で、みんなでそばを食べた。
やっぱり、ラクス+母さんの料理は美味しい。
みんなからも絶賛だった。
そして、僕達はそばを食べて赤白歌合戦を見て、それぞれ自由に過ごしたんだ。
これからも、僕達を優しく見守ってね。





END



後書き
言っておきますが、当サイトのマルキオ邸は小屋ではなく、DESTINYに登場したアスハ家別荘を指します。
だから、ラクスを探すにも時間がかかるんです。
少々無茶苦茶な展開のような気もしないでも・・・。
これがLEGENDに準じていたら、あの男出てた・・・かも?
赤白歌合戦か、一体どのようなアーティストが出てくるんですかね?



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