「ララララ♪ 昨日買ったシャンプーを使えるぞ♪」

私は家に帰ってからバスルームに直行した。
昨日アスランに頼んで買って来てもらったシャンプーを始めて使うからだ。
これはオーブの有名会社からの新発売。
私の楽しみは倍増していた。
ずっとこの日を待っていた。
なのに、事件は起こった。

「シャンプーをこうやっ・・・・あれ?」

そのシャンプーからは一滴しか出なかった。
何で?
と嘆いた後に残ったものは怒るという感情。
私は怒りに震えた。
これは不良品か?
それともあいつか?
どちらにしても私はこの気持ちをアスランへ伝えるべく、私はバスタオルを羽織って、急いでリビングへ向かった。



「シャンプーの恨み」



俺は昨日キラ借りた本を読んでいた。
その間にカガリはただいまと言って、バスルームへ向かっていった。
恐らく昨日発売されたシャンプーを使いたいからだろう。
昨日カガリは出張に出ていたので、俺が買いに行くはめになった。
今頃カガリはご機嫌でシャンプーを使っているんだろうな。
と思いながら、本を読んでいた。

「大変だ!アスラン!」

急にカガリの大きい声が聞こえたので何事か?と思い俺は声がした方へ振り向く。
そこにはバスタオル一枚を羽織っただけのカガリがそこに居た。
俺は突然のことで気が動転する。
まさか・・・。

「昨日、お前に買ってもらったシャンプーから一滴しかでないんだ!」

あ、そっちか。
って思っている場合ではなかった。
カガリは相当頭にきている。 対処したいがまずはシャンプーが出ない理由を考えなければなさそうだ。 シャンプーが出ない理由はどう考えても・・・あれしかないだろう。
俺には思い当たる事があった。


それは昨日の事だ。
俺はシャンプーを買った後、マルキオ邸へ向かった。
キラの様子が見たかったからだ。
心配だったが、行って見るとキラは元気に過ごしていた。

「キラが元気で何よりだ」

「皆さんのおかげですわ」

どうせカガリが居ないのなら一人で食事しても美味しくない。
俺はこのマルキオ邸で食事をごちそうになる。
やがて、キラが風呂に入っているときに俺とラクスはそんな会話をしていた。
会話中にラクスは俺の持っていたシャンプーに気づく。
話を聞くとどうやら、ラクスも欲しかったものらしい。
ちょっとくらいならカガリも怒らないだろうと思い、俺はシャンプーを渡した。
いや、それ以前にラクスに逆らうと大変な事になりかねないので、仕方ないというのが正しいだろうか。
気づけば、シャンプーを持ったままラクスは風呂場へ向かっていった。
まさか、二人で風呂に入るのか?
まだ、俺とカガリは・・・。
ではなくて、ラクスが向かった後キラは女性に似た悲鳴をあげていたような・・・。
キラが悲鳴をあげた後すぐ(と言っても3分前後)にラクスは戻ってきた。

「ただ、入っただけですのにキラはどうしてあんなに驚くのでしょうか?」

ラクスはそう言いながら戻ってきた。
ラクスは鈍感なのか?それとも本物の天然なのか?
などと俺は考えてしまった。
とりあえず、思った事を口にする。

「俺じゃなくて、キラに聞いてくれ」

俺はそう言って、マルキオ邸を後にした。
勿論、シャンプーを持って。
最初の時より軽い気もしたが、俺は特に思わず自宅へ戻った。


俺はカガリに昨日の事を説明した。
ここは何が何でも許してもらうしかない。
それにこの話を聞けばラクスが悪いと思うはずだ。

「アスラン・・・なんでシャンプーを多めに買わなかった?」

「いや、それは・・・俺の行った所が一人一つしか無理だったから・・・」

俺は必死に嘘をつく。
ここは見逃してもらわないと、やばい。
カガリがキレると本当に危ないのだ。

「だったら、カガリ様から頼まれましたとでも言えばよかったじゃないか!」

うっ・・・。
これは痛い。
確かにそうだ。
だが、このまま引き下がるわけにはいかない。
ならば!

「じゃあなんで、事前に予約しなかった?カガリの名前を使えば、出来たはずだろう」

俺はこれで勝ったと思った。
しかし、カガリはそう甘くなかった。

「そんなことをすれば、国民から暴動が起きるではないか!」

そこまでの人気があったのか?
あのシャンプーは。

その後、俺とカガリはしばらく口喧嘩をしていた。
もうとても、言える内容ではない。
が、久しぶりに本音を言い合えたことができ、俺は一応良かったと思う。
シャンプーに関してはまた、後日買いに行くことになった。
俺がそう言わなければ、まだ口喧嘩が続いていたかもしれないのだから。





END



後書き
たかがシャンプー、されどシャンプーということでしょうか。
にしてもラクスは3分程度で一体どのような使い方をしたんでしょうかね。
書いた私の方が疑問です(←オイッ!)
これは改装後に原型を修正+若干加筆したものです。
なので、携帯版より長めになっています。
この作品の原型は携帯版にて掲載していますので、よければそちらも。



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