「ラクスさん、買い物に行ってきてくれる?」

わたくしはカリダさんに買い物を頼まれました。
これはたまにある程度です。
ほとんど、カリダさんが一人で行かれますから。

「5時頃までに戻ってきてね」

「買い物にそこまで時間はかかりませんわ」

「残りはキラとデートをするための時間よ。子供達と居ると二人きりの時間が中々作れないでしょ?」

「カリダさん、ありがとうございます」



「デート♪」



「キラ、早くしてくださいね」

「少し、待ってね」

今日はキラとデート♪
楽しみですわ♪
言っておきますが、テンションマックスでお送りいたしますわ。

「お待たせ」

どうしたのでしょうか。
キラが固まっていますわ。

「どうしたのですか?」

「買い物に行くだけじゃなかったけ?」

どうやらわたくしの服を見て驚いたようですわ。
本当に照れ屋なんですね♪
AAの時からも、ここに居る時も変わっていませんわね。
こういうところはいつまでも変わらないでほしいですわ。

「カリダさんにお許しをもらってますわ」

「行こうかラクス」

「はい、キラ♪」


「キラ♪」

「どうしたのラクス?」

「あの店に行きませんか?」

買い物をする店へ行く途中です。 わたくしはアクセサリーショップに指を指しました。
それにキラは驚いているようです。
すぐに買い物は?と聞いてくるキラ。
本当に真面目です。
アスランも真面目と言えば真面目だったのですが。
わたくしには本当の顔を見せてはくれませんでした。
演じているように感じて・・・。
だから、キラが好きなったのかもしれませんわね。

「5時までに帰ってきてくれればいいとカリダさんは言ってましたわ♪」

「それじゃ今日は・・・」

「デートですわ♪」

あらあら?
キラはデートと知って照れてますわね。
もし、嫌そうな顔をしたら私も傷つきますが。

「じゃあ、行こうかラクス」

「はい、キラ♪」

キラもやっと活き活きとしてきました。
わたくしのテンションはさらに上がりそうです。
でも、これ以上、上がったら大変な事になりますわね。
少しは抑えなければ・・・。
わたくし達はお店に入りました。

「これは似合いますか?」

「うん、似合うよ」

わたくしはペンダントを付けてみました。
似合うと言ってくれたのは嬉しいですわ♪

「これはどうですか?」

次に付けたネックレスはこの店で2つしか残っていない物でした。

「さっきのより、今付けているネックレスが似合ってるよ」

もちろんわたくしはキラに似合うと言ってくれて嬉しい。
ですが、値段は高めだったので私は諦めました。
欲しくても、お金がないので仕方ありません。
以前の私でしたらどうしていたのでしょうか、とふと頭によぎります。
父と二人暮らし(+家政婦含めると不明)でしたが、楽しいものでした。
今も楽しいですが、あの頃が懐かしく思えます。
アクセサリーショップを出ると、スーパーへ行きます。
そして、わたくしはキラと頼まれた材料を買っていきます。

「ラクス、今日は何を作るの?」

「材料でわかりませんか?」

「肉、じゃがいも、人参、こんにゃく、玉ねぎ……そうか! 肉じゃがだね」

「当たりですわ」
なんて、会話をしているといつの間にか家に着いていました。
気づいた時にはただいまと言っていました。

「「ただいま」」

「お帰りなさい、デートは楽しかった?」

カリダさんがすぐに返してくれました。
思ったより、早く返したので、少しびっくりです。
随分早かったのね、と声をかけてきます。
わたくしは、はいと答えました。
キラは、僕は子供達の様子を見てるから。
と言って、子供達の所へ行ってしまいました。
やはり、恥ずかしいようです。

「もう少しゆっくりしてもよかったのよ?」

「わたくしもそうするつもりでしたが、街で私の話をする人が居たので、ゆっくりできませんでした」

そうです。
本当の原因はこれなんです。
文章外のところでそのような会話が繰り広げられていたのです。
わたくしは立場上見つかるわけにはいきません。

「そう……でも楽しめたでしょ?」

「はい。充分に楽しめました」

「よかったわ。今から夕食の準備するからお願い」

「わかりましたわ♪」



「わ〜い。肉じゃがだ」

「本当だ」

「みなさん、まだ食べないでくださいな」

子供達はすぐに食べようと騒いでます。
わたくしは何とか抑えます。
でも、これが数年経ったら抑えるのが難しいのでしょうね。
その時はキラやシンドウを頼ろうかしら。

「今日の当番はキラ君ね」

「わかりました。では、いただきます」

「「いただきます」」

わたくしとカリダさんが作った肉じゃが。
ですが、今日はわたくしがほとんど作りました。 もちろん、カリダさんが横に居て指導してくださいました。
ですので、味が気になります。

「お味はいかがですか?」

「おいしい」

「美味い」

子供達は喜んでいます。
マリューさん達は・・・。

「本当においしいわ」

「う〜ん。砂漠にいたときには食べられない味だね」

マリューさん達も喜んで食べています。

「今日の肉じゃがはラクスさんが作ったのよ♪」

カリダさんが突然言い出しました。
そう言われ、わたくしは照れます。

「ですが、カリダさんがフォローしてくれましたから」

「私はちょっと手伝っただけよ。キラ美味しい?」

「うん。美味しいよ母さん、ラクス」

「ありがとうございます。キラ♪」

夕食も食べ終わり、わたくしはさきほどお風呂にも入りましたので自分の部屋に向かいました。
そのとき、ドアを開けようとして気づいたのです。
それはドアに紙がテープで貼られていました。

「何でしょうか?」

ー今夜、話があるので僕の部屋に来てほしいー

見るとキラの字でした。
キラからこのようなことをするのは本当に珍しいことです。
気にはなりつつも、夜更けになった頃。
わたくしはキラの部屋に向かいました。
わたくしはコンコン、とノックしました。

「ラクス?」

そうですわ、とわたくしは答えます。
入って、と言われ、わたくしは部屋に入ります。
にしても、何の用でしょうか?

「ごめんね。こんな時間に」

「わたくしは構いませんわ。話は何ですか?」

「そうだね。いきなり悪いけど目をつぶっていて」

本当にいきなりですわね。
わたくしはキラに言うままに私は目をつぶりました。
しばらくして、もういいよとキラは言いました。
目を開けると、そこには昼間に高くて諦めたはずの2つのネックレスとケーキがありました。

「キラ、これは高かったのではないのですか?」

「ラクスがほしそうだったから。ラクス、遅れたけどお誕生日おめでとう!」

わたくしはあまりの突然のことで、嬉しくて涙が出てきました。

「え? ラクス、僕が何かした?」

「違います…ヒ…ック…嬉しいのです」

一応、言っておきますが、しゃっくりではありません。
わたくしはしばらく嬉し泣きをしていました。
キラの前で泣くなんて、久しぶりですから余計に。

「ラクス、もう大丈夫?」

「はい。でも誰が私の誕生日を?」

しばらくして泣き終わり、わたくしは疑問だった事をキラに聞きました。
キラには言ってなかったのですから。

「アスランがねラクスにプレゼントを渡したかって聴いてきたからわかったんだ。でも誕生日くらいは僕に言ってよ」

「ですが、色々あったので自分でも忘れていたのですわ」

本当に色々ありましたから。
キラの1日1日は。

「次からは僕も気をつけるね。ところでネックレスを付けるよ」

私はネックレスを付けてもらいました。

「次は私がキラに付けますわ」

わたくしはキラのネックレスには以前私が渡した指輪を通して付けてあげました。
すると、キラはお礼を言ってくれました。

「ありがとう。ラクス。ケーキは食べないの?」

「もちろん、食べますわ」

その後、ケーキを2人で食べました。
食べ終わってすぐにわたくしはお礼を言います。 キラ、今日はありがとうございました♪と。
わたくしはそう言いながらキラに抱きつきました。
なんだか、眠たくなってきて、思わず、目をつぶってしまいました。

「ラクス、ラクス?眠ったのかな?おやすみラクス………」

私にとってその日はとても思い出深い日になりました♪♪♪
起きた瞬間、キラはかなり驚いていたような気もしますけど。





END



後書き
無茶苦茶なまでにハイテンションのラクス様。
イメージとしてはコペルニクスでファッションチェンジの時で(DSETINY46話)。
ですから、同じような会話が繰り広げられています。
本当に会話と♪だらけのお話ですね。
さらに携帯版を大幅に超える長さ。
前編、後編で分けた方が良かったのかも・・・。
実はこれ携帯版はDSから更新していました。
まあ、意地でやっていたのでやり終えた時は指が…。
これは改装後に原型を修正+若干加筆したものです。
なので、携帯版より長めになっています。
この作品の原型は携帯版にて掲載していますので、よければそちらも。
にしても、私の初期の作品って会話が多すぎるんですよね・・・。
LEGENDじゃ絶対に出来ないくらい多いんですよ。



タイトル