「「ごちそうさまでした」」

みなさん夕食も食べ終わり、わたくし達は片づけをしています。
時間も経つとお風呂に入る順番が回ってきます。

「それじゃあ、お風呂入って来るね」

そう言ってキラはお風呂場に行きました。
わたくしはわかりました、と返すのがいつもの事です。
でも、わたくしは言ってから気づきました。
今日は口を聞かないつもりだったのですが、返すのが癖になってしまったので直らないようです。

「ラクスさん一緒にお風呂入って来たらどう?」

「キラのことは好きですが恥ずかしいですわ」

「でも、ヒソヒソ……」

カリダさんはあることを教えてくれました。

「本当ですか?」

「本当よ」

「行って来ますわカリダさん」

そう言ってわたくしはお風呂場に向かいました。
カリダさんの言ったことを実行するために。



「ラクスの悪戯」



「カリダさん何を吹き込んだのかね」

「虎さん達には言っておくわ・ヒソヒソ・・・」

話の内容を聞いたバルトフェルド達はコーヒーを吹き出した。

「冗談でしょ?」

マリューがたずねた。
ところが、いいえ本当よとはっきり返す。
そう聞いた二人は心の中で一緒の事を思うのであった。

『『キラ(君)頑張れ!』』

二人は同時に思うのであった。
そんなことも知らずにキラはお風呂に入っている。

「ふぅ〜」

今日もよく頑張った。
子供達はもう寝てるし、しばらく入っていられるかな?

「キラ」

「何?ラクスどうかしたの?」

「たずねたいことがあるのですがよろしいですか?」

「いいよ」

今でなくてもいいと思うけど・・・。
僕は静かにラクスの質問を待った。

「昨日、カガリさん達と何を話されたのですか?」

「ああ、それはね・・・昔話」

僕は嘘をつく。
昨日の会話はラクスに話せる内容ではないから。
でも、昨日のことを詳しくは思い出せない。
どうしてだろう?

「本当ですか?」

僕は本当だよと返す。
その時、僕はラクスが何も気づかないことを祈りながら言った。

「何故、わたくしが今日機嫌が悪かったかおわかりですか?」

ラクスはゆっくりをとした口調で話してくる。
でもどこか怒っているような感じがした。

「分からないよ……」

正直に僕は話した。
ここは正直が一番。
すると、彼女は本当に分かりませんか?
とたずねてきた。

「うん………」

「でしたら、わたくしが言うまで目をつぶっていてくれますか?」

僕は分かったよと返す。
何か音がし始めたが、タオルでも置いているのだと考えた。
にしても、でしたらって会話がおかしくない?
ごそごそ・・・。
やけに音がするような・・・。
ガチャと音までしてきた。
ドアが開いた?
と僕は思ったけど、まさかねとその考えをなくす。
しかし、ラクスの笑い声が聞こえた。
クスクスって行ったところだけど、目の前に居るような・・・。

「もういいですわ」

ラクスがそう言ったので目を開けると・・・。
そこには・・・。

「あわあわああぁぁアアあああぁぁっぁぁうあうあ・・・・・(あまりの光景に混乱中です)」

僕はしばらく固まっていた。
やがて、正気に戻ると・・・僕は叫んでいた。

「ギャーーーーーー!!!!」

「キラ、そんな声を上げられるとみなさんが飛んで来ますわ」

「だってラクスがそんな格好で来るから・・・」

わたくしはバスタオルを巻いてキラの前に来ました。
さすがになしというのは私にも抵抗があるので。
でも、キラは「ギャーーーーーー!!!!」とまるでおばけを見たような声を上げたのです。
なのでわたくしは驚きましたが、キラの気持ちを考えると驚くのは無理もないと思い現在に至ります。

「なんでラクスが風呂場に入ってくるのさ?」

「カリダさんですわ」

「はぁ?母さんが何をしたの?」

キラは呆れたような声でわたくしにたずねました。
わたくしはカリダさんから聞いたことを言いました。

「キラは突然のことが苦手と言うことですわ」

「確かにいきなりは弱いけど、それとラクスがここに居ることの関係が分からないんだけど・・・」

「ですからカリダさんですわ」

わたくしは先程のカリダさんのお話をキラに言うことにしました。


「ラクスさん、キラは昔から突然のことが弱いからそこを利用するの」

キラは確かに突然のことが弱いです。
わたくしと初めて出会った時からそうです。
このことはエターナルで合流した後も分かっていました。

「それでキラに何をするのですか?」

「ラクスさんはバスタオルを巻いてお風呂場に行けばキラは絶対に驚くわ。仲直り後はラクスさんの好きなようにすればいいんじゃないかしら」

今日はキラにいえ、カガリさん達に嫉妬していました。
そんな状態でキラと話をしても八つ当たりをしてしまいそうでしたのでほとんど話せずに今に至ります。
なので、カリダさんはわたくしとキラの仲直りのきっかけをくれたのだと思いましたので。
わたくしは行ってきますわカリダさん。
と言ってわたくしはカリダさんに感謝しながらお風呂場に向かいました。


「と言う訳ですわ」

「と言う訳って言われても・・・」

母さん恨んでいい?
まぁラクスとお風呂に入れることはうれしいけど。
このシュチュエーションは・・・。

「でも、キラ」

「何?」

「バスタオル外したほうがいいですか?」

僕はラクスの姿を想像してしまい鼻血を出した。
って言ってもギャグとかであるあのタイプの鼻血。
ギリギリ浴槽の中に入らなかった・・・ってそれどころじゃない!
と自分にノリッツコミをしている自分ってどれだけ悲しいことか。

「大丈夫ですかキラ♪」

「大丈夫じゃないって!なんで喜んでるような言い方してるの?」

「それは言えませんわ♪ところでお風呂に一緒に入っていいですか?」

よく考えれば僕は浴槽に居てラクスは外。
これじゃあ、少し寒いのかもしれない。
にしても、今日は自分にたまたまタオルを巻いてて良かった。
なんで、自分の家の風呂でタオルを巻いてるかは分からないけど。

「いいけど・・・」

「では入らせてもらいますわ♪」

僕もラクスもたぶん、何か話そうとは思っていたんだと思う。
だけど、僕からは話せなかった。
おそらくラクスも。

「どうしたのですか?」

僕は正直に答えた。
ラクスが近くに居るから恥ずかしいし、緊張してるからと。
するとラクスは何やら喜んでいた。
けど、僕は意を決して言った。

「ラクス、もう上がろう」

僕の緊張は頂点に達しようとしていた。
目の前にラクスが居るのだから。
ラクスも同じだったのか、わかりましたわと返した。

「僕が先に上がるから」

そう言ってキラは脱衣所に行きました。
やがて、わたくしも脱衣所に向かいました。
入っただけですが、たまにはそれもいいと思ったからです。
リビングに向かうとキラとカリダさん達が話していました。


「母さん、ラクスに変なことを吹きこませないでよ!」

「まあ、キラ君落ち着いて」

マリューさんにそう言われて少し落ち着く。
って落ち着いてどうするんだ僕は。

「にしてもラクスもやるな〜。キラの前でバスタオルの状態で行くとは」

「バルトフェルドさん!」

「まあ、怒るなって」

バルトフェルドさんは思っていた通り楽しんでいる。
すると母さんはこう言った。
キラ、感情的になりすぎよと。
・・・母さんのせいでしょ?

「もうすぐラクスさんも上がってくるわよ」

う・・・。
僕は今までのことが急に恥ずかしくなった。
みなさん、おやすみなさいと言って僕はすぐに自分の部屋に向かった。
とにかく、この場から離れたかった。

「ラクス、もういいぞ」

バルトフェルド隊長に呼ばれわたくしはリビングに行きました。
やはり、気づいていたようです。
砂漠の虎の名は伊達ではありません。

「ラクスさんはやっぱりキラのお嫁さんに相応しいわ」

「カリダさん・・・わたくしは・・・」

「キラのことをお願いね」

「はい」

カリダさんの問いにわたくしは素直な気持ちで答えます。
わたくしの答えを聞くとカリダさんはほほ笑んでいました。

「では、わたくしもそろそろ寝ますわ」

「そうか。俺達は風呂に入るけどな」

「そうね」

マリューさん達がそう答えました。
わたくしはおやすみなさい、と言って自分の部屋へと向かいました。





END



後書き
実はこれ修正したのは二回目。
一回目の物は間違って上書き保存してしまい、消滅・・・。
自分の中では面白いように修正できていたのに。
ですから、キラがどうしてだろう、とか言っているわけで・・・。
視点変更もうまく出来ていた気がするのに・・・(一回目は)
なお、携帯版と違って長さゆえにシンドウ達の場面はカットしました。
これは改装後に原型を修正+若干加筆したものです。
なので、携帯版より長めになっています。
この作品の原型は携帯版にて掲載していますので、よければそちらも。
にしても、私の初期の作品って会話が多すぎるんですよね・・・。



タイトル