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キョウコ:「レンさん、私、私・・・」
彼女は泣きたかった。
よくよく気づけば、人を殺しているのだ。
勿論、敵兵のバルドは死んでいないが。
彼女は誰でもいいから抱きしめてもらいたかった。
しかし、彼は拒んだ。
レン:「もう少し、経ったら泣いていい」
と答えた。
その言葉を言ってからから、間もなくショウキは来た。
事情を知らないショウキはとにかくキョウコを抱きしめた。
この酷い有様の中で、自分達は奇跡的に生きているのだから。
ただ、今は再会できた喜びで泣けばいい。
二人を見守るレンの目にも一筋の涙が零れ落ちていた。
自分達は生きている。
これは奇跡で、素晴らしいことなのだ。
その場にいた3人はそのことを泣きながら、理解するのであった。
だが、3人はまだ知らなかった。
日本を巡る戦いが起きようとしていたことを。
この戦いはまだ、きっかけに過ぎない事を。
END
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