これは外で戦闘の起きる前の事である。
トール:「こんなとこに居たのかよ。カトウ教授がお前のこと探してたぜ」
ミリアリア:「見かけたら、すぐ呼び戻して来いって」
キラ:「またぁ〜?昨日渡されたやつだって、まだ終わってないのに」
彼らはガレッジの学生。
中立コロニーのヘリオポリスを選んだのは、ここが戦闘に巻き込まれることはないと思ったからだ。
彼らは年齢的に16歳前後。
特に制服があるわけではなく、私服が許されている。
キラは車の運転が出来ると言う事もあり、すぐに教授のところへと向かう事が出来た。
しかし、部屋に来たのはいいが教授はおらず、お客とサイ・アーガイル、カズイ・バスカークが居るくらいだ。
すぐにカトウ教授に頼まれた事をしていくキラ。
だが、事件は起きた。
「PHASE−1 偽りの平和 Bパート」
突然、ガレッジが揺れたのである。
避難階段に向かうキラ達。
同じく避難していた人にサイは何があったかのかをたずねた。
サイ:「何があったんですか?」
避難者:「ザフトに攻撃されてるんだ!コロニーの中にMSが入って来てるんだよ!君たちも早く!」
揺れた理由はザフトの攻撃であると言う事が分かった。
避難をしようと急ぐミリアリア達。
だが、カトウ教授に会いに来た子はどこかへと走っていった。
キラ:「あ、君!」
カトウ教授に呼ばれていたお客が、避難の道とは違う方向へ走っていくではないか。
呼びかけるトールに後で必ず行くように伝え、キラはその子を追いかける。
放っておく訳にはいかないのだ。
追いかける中、その子に追いつき、避難するように言う。
その際に爆風が起きて、その子の帽子が飛ぶ。
キラ:「お・・・女の子?」
このとき始めて気づいた。
その子が女の子であることを。
カガリ:「なんだと思ってたんだ?今まで」
キラ:「いや、だって・・・」
再び爆風が起きる。
その子は確かめねばならんことがあると言って、キラに戻るように言う。
しかし、爆風のせいでもう戻れない。
キラはとっさに女の子を連れて、道あるところへ走る。
女の子は離なせ!この馬鹿!などと大声を上げるが、無視して進むキラ。
カガリ:「こんなことになって私は・・・・」
キラ:「大丈夫!まだ、工場区に行けば避難シェルターがある!」
彼は女の子に言葉をかける。
避難シェルターに行けば、助かると。
しばらく二人は走った。
そして、出口へたどり着く。
工場区はもう戦場と化していた。
横たわる2機のMSをよそに。
キラ:「これって・・・」
カガリ:「やっぱり・・・地球軍の新型起動兵器・・・・・・お父様の裏切り者!!!」
横で泣き崩れる女の子。
キラはこの時、何故お父様の裏切り者と言っているか分からなかった。
しばらく戦場を眺めていると、地球軍の兵士が銃を向けられたことに気がつく。
急いでその子の手を握り、走る。
お陰で何とか二人に銃弾は当たらなかった。
あと少し遅かったら銃弾に当たっていただろう。
キラ:「ほら!走って」
*
ほぼ同時期。
地球軍の新型起動兵器の3機はもう奪取されていた。
イザーク:「ほぅ。凄いものだな。これは。どうだディアッカ?」
ディアッカ:「OK。全く、つつけば巣穴から出てくるってね。アップデータ起動。再構築・・・・グゥレイト!動ける!」
イザーク:「ニコル」
ニコル:「待ってください。もう少し・・・」
彼らはGAT−X102デュエルをイザーク・ジュール、GAT−X103バスターをディアッカ・エルスマン、GAT−X207ブリッツをニコル・アマルフィ、それぞれ新型
MSを奪取した。
イザーク:「先にこの3機をクルーゼ隊長にお渡しする。それまで傷つけるなよ」
3人は先に母艦へと戻った。
本来の予定であれば、アスラン・ザラとラスティ・マッケンジーが後の2機を奪って作戦は終了するはずだった。
しかし、運命なのか必然か。
ザフトの予定は変わろうとしていた。
一方のヘリオポリスの外では、マサカズからの連絡を受けたキールが、発進準備をしていた。
彼女、カガリの確保が最優先だが、市民の安全も確保しなければならない。
キール:「キール・ガッツウィング、メビウス出るぜェ!」
彼は発進した。
内部では戦闘が起きている。
そのため急がなければならなかった。
アデス:「クルーゼ隊長!あれは!」
クルーゼ:「ほう。あれはオーブ軍、しかも特殊部隊のメビウスだな。放っておくべきだな」
ザフトは彼を見逃した。
これは彼にとって、大変都合が良かった。
*
キラと女の子は何とか、シェルターのところへ来ていた。
ただし、スペースが開いてないらしい。
キラは必死に説得した。
その結果、女の子だけでも、入れてもらえることになった。
そう聞いた、彼は女の子をエレベーターへと押し込む。
カガリ:「おい、お前!」
キラ:「僕はもう一つのシェルターへ行くから、大丈夫!」
エレベーターは下へと向かった。
それを確認すると、キラはもう一つのシェルターへと走る。
走る際、キラは下を見た。
先程、自分に向かって発砲した女性が戦っていた。
すると、女性の気づかないところで、敵兵が女性を撃とうとしていたのだ。
キラ:「危ない!後ろ!」
思わずキラは、女性に注意した。
どうしてかは、キラ自身にもよく分からない。
女性はすぐに後ろへ向き、銃を放つ。
そうすることで、危機を回避し、敵兵を撃ったのである。
マリュー:「来い!」
彼女は大声で、キラに向かって叫んだ。
キラは左ブロックのシェルターへ行くと言った。
だが、相手の女性から返ってきた答えはキラにとって、残酷な知らせだった。
マリュー:「あそこはもうドアしかない!」
彼女の話を聞いた、キラは飛び降りた。
マリューはその光景に、驚愕する。
1メートルならともかく、5メートルはあっただろう。
キラはGの上に着地した。
とはいえ、ちょっとバランスを崩したが。
ラスティ:「うっ!?」
アスランの横で彼は討たれた。
顔というよりは、脳を撃たれ、即死だ。
だが、アスランからすれば、ラスティが死んだ事には変わりない。
彼は叫び声を上げながら、銃を撃ちつつ、横へと走った。
女性は、仲間を撃たれたことに気づき、応戦しようとするが、敵の方が撃つのは、早かった。
女性は左肩を撃たれたのだ。
キラはその様子を見て助けようと、アスランはマシンガンの弾がなくなり、ナイフでとどめを刺そうとホバーを使って、Gの上へと上がる。
二人は偶然にも視線が合った。
いや、合ってしまったのだ。
キラ:「アスラン?」
アスラン:「キラ?」
二人は思わず、呟いた。
それが互いに聞こえたのかは分からない。
視線が合ってすぐに爆発が起きる。
まるで、何かがあるかのごとく。
キラの横でマリューは右手で、目の前のザフト兵に対し銃を向ける。
弾は入っていない。
だが、アスランは後ろへと退いた。
そんなことを知るはずも無いのだから。
マリューはキラをコックピットへと押した。
左手である。
キラをコックピットへと無理矢理入れた後、マリューも乗り込んだ。
アスランの方は、もう一つのGであるX303イージスへと乗った。
キラを乗せたG、X105ストライクは爆風の中を立ち上がる。
これが、キラとアスランの後の運命を変えることになろうとは、二人も思っていなかった・・・。
END
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